設計事例34

広い庭と、開放的に暮らす家。／袖ケ浦市

法令上の制限により、敷地の西半分のみが建築可能な土地。そのため建物を敷地西側へ配置し、東側へ広い庭を設けました。制限を逆手に取り、東から南東側に隣地建物が建つ事のないロケーションを活かした建築計画としています。東の庭は柔らかい光と風を取り込み、大きな窓から眺める遠景とともに南側は周辺状況にあわせ制限しながら開放的な暮らしを生む空間となっています。

共働き世帯の忙しい出勤前や帰宅後の準備・家事動線を整え、貴重な時間を効率的で楽にこなす間取りとしました。生活の大半を一階で完結できる様に計画しています。

勾配天井と庇から東庭に面した開口部よりウッドデッキと芝生の庭がゆるやかにつながる構成。グレーを基調にしたインテリアと天然素材の質感が、落ち着いた空間をつくり出しています。

【玄関ホール】
自然石を壁面に張り、重厚感を演出。積層石材による立体的な陰影が質感を強調します。床材とドアはオーク材を使用し、木質感を表現。ブラックの縦手すりを配置することで白い壁を汚さず、空間も引き締めます。

【床のあるシューズクローク】
シューズクロークの半分は床貼りとしています。床のあるシューズクロークは、土間に下りずに靴を手入れや荷物の出し入れができ便利です。濡れ物や長靴、ブーツなどを置ける土間スペースを棚下に設けました。

【LDK（リビング・ダイニング・キッチン）】
グレーのキッチンを基調としたインテリア。天井梁にはご主人の希望による特注懸垂バーを設置。広い開口部からは東側の庭や景色が望め、勾配天井とひさしが連続する開放的な空間となっています。回遊性のあるウッドデッキが屋内外を一体として繋ぎます。

【置き床(おきどこ)・神棚スペース】
奥様の書作品を掛けて飾るための置き床を設置。上部には神棚用のスペースを設けています。

【ファミリークローク】
リビングとサニタリースペースをつなぐ動線上にファミリークロークを配置。日常の身支度に必要な着替えやリビングで使う小物をまとめて収納できるので、LDKの空間をすっきり保つことができます。

【ランドリースペース】
洗濯機・ガス衣類乾燥機・スロップシンクを備え、「洗う、干す、乾かす、しまう」が一箇所で完結するよう計画しています。床はコルクタイルで足触りがやわらかく滑りにくくなっています。

【一階洗面スペース】
幅広のカウンターで、朝の忙しい時間帯にも二人同時に使用できるようになっています。西側の高窓（ハイサイドライト）から柔らかい自然光が差し込み、明るい朝の洗面に。

【階段ホール】
細めで黒い手すりを採用し、空間を軽快でスッキリとした印象に仕上げています。階段下には地窓を設け、廊下へ光を導きます。

【ワークスペース・書道スペース】
ご主人のワークスペースと奥様の書道スペースを兼ねた多目的空間。壁面には書作品を複数枚掲示して確認できるようにオーク材で角棒を造作し設置しました。木にスチールバーを取付け、磁石で作品を貼り付けます。作品の墨が壁に付着しないように壁から50ミリほど出ています。